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SF32LB52xハードウェア設計ガイド — RFとユーザーインターフェース

SF32LB52xハードウェア設計ガイドの一部

このページでは、回路図設計ガイドの「5.4 RF」と「5.5ユーザーインターフェース」を説明します。前のページは最小システム、電源、クロック、次のページはストレージと製造です。項目ごとの確認には回路図チェックリストを使用してください。

5.4. RF

5.4.1. RF回路とアンテナ経路

要点

  • アンテナへの配線は、特性インピーダンス50 Ωの制御インピーダンス配線にします。
  • 選定したアンテナが整合済みでも、π型整合回路の実装スペースを確保します。
  • RF経路は短く保ち、シールドするとともに、水晶発振回路、DC/DC、ディスプレイ、充電回路のノイズ源から離します。

設計目標

インピーダンス制御を維持し、配線の不連続を最小限に抑え、最終的なアンテナ調整に必要な整合回路の自由度を確保することで、Bluetoothの受信感度と放射性能を高めます。

RF配線の特性インピーダンスは50 Ωです。アンテナが整合済みであれば追加のRF部品は不要ですが、不要輻射のフィルタリングやアンテナ調整に備えて、π型整合回路の実装スペースを確保することを推奨します。

図5.4-1: RF回路図

図5.4-1: RF回路図

図5.4-1の直列コンデンサーC0323は15 pF、50 Vで、グラウンドへの分岐にあるC0318とC0319はNF(未実装)です。これらはリファレンスデザインの値であり、すべてのアンテナに共通する整合条件ではありません。整合回路はチップ側のRF端子の近くに配置し、完成した製品での測定に基づいて最終的な部品構成を決めてください。

5.4.2. RF設計のレビューと調整

RF設計でよくある問題

  • 整合回路をチップ側のRF端子の近くではなく、アンテナの近くに配置してしまう。
  • RF配線に不要なビアや急な曲げを設ける。
  • DC/DC、ディスプレイ、USB、充電回路とノイズの多いグラウンド帰路を共有する。
  • 整合回路用のスペースを設けず、実機でアンテナを調整できなくなる。

RF設計チェックリスト

  • RF配線のインピーダンス目標値を基板メーカーと合意している。
  • π型整合回路の実装スペースを確保し、チップの近くに配置している。
  • グラウンドビアフェンスとRF配線禁止領域を確認している。
  • 筐体設計の確定前に、アンテナ調整と認証試験に必要なアクセス手段を確保している。

5.5. ユーザーインターフェース

5.5.1. ディスプレイ

要点

  • SPI、Dual-SPI、Quad-SPI、シリアルJDIに対応します。EPDは、対応する外部レギュレーター給電版で使用できます。
  • 資料に記載された最大表示解像度は512 x 512です。
  • リセット、TE、バックライトPWM、タッチ用I2C、タッチ割り込み、ディスプレイ電源の投入順序をまとめて確認してください。

設計目標

通常動作時と低消費電力状態の両方で、帯域幅と消費電力の要件を満たし、ウェイクアップ、リセット、バックライト、タッチの動作を確保できるインターフェースを選定します。

本チップは、3線式SPI、4線式SPI、Dual-data SPI、Quad-data SPI、シリアルJDIに対応します。色深度は1670万色(RGB888)、26.2万色(RGB666)、6.5万色(RGB565)、8色(RGB111)で、最大解像度は512x512です。

対応LCDドライバーモデル:

表5.5-1: 対応LCDドライバー一覧
モデル メーカー 解像度 種類 インターフェース
RM69090 Raydium 368x448 AMOLED 3/4線式SPI、Dual/Quad-data SPI、MIPI-DSI
RM69330 Raydium 454x454 AMOLED 3/4線式SPI、Dual/Quad-data SPI、8ビット8080 MCUバス、MIPI-DSI
ILI8688E ILITEK 368x448 AMOLED Quad-data SPI、MIPI-DSI
SH8601A Shine World Technology 454x454 AMOLED 3/4線式SPI、Dual/Quad-data SPI、8ビット8080 MCUバス、MIPI-DSI
SPD2012 Solomon 356x400 TFT Quad-data SPI
GC9C01 Galaxycore 360x360 TFT Quad-data SPI
GC9B71 Galaxycore 320x380 TFT Quad-data SPI
ST77903 Sitronix 400x400 TFT Quad-data SPI
ICNA3311 Chipone 454x454 AMOLED Quad-data SPI
FT2308 FocalTech 410x494 AMOLED Quad-data SPI

LCDドライバーの対応インターフェースとMCUの機能は別です

表5.5-1はLCDドライバーICが提供するインターフェースの一覧であり、SF32LB52xがすべてに対応するという意味ではありません。ドライバーがMIPI-DSIや8ビット8080 MCUバスに対応していても、MCU側の対応を示す根拠にはなりません。使用するMCUの正確な型番とLCDドライバーの両方が対応するインターフェースを選んでください。

5.5.1.1. SPI/QSPIディスプレイインターフェース
表5.5-2: SPI/QSPI信号接続
SPI信号 ピン 説明
CSx PA03 チップセレクト
WRx_SCL PA04 クロック
DCx PA06 4線式SPIではデータ/コマンド、Quad-SPIではデータ1
SDI_RDx PA05 3/4線式SPIではデータ入力、Quad-SPIではデータ0
SDO PA05 3/4線式SPIではデータ出力。SDI_RDxと短絡します
D[0] PA07 Quad-SPIのデータ2
D[1] PA08 Quad-SPIのデータ3
RESET PA00 ディスプレイのリセット
TE PA02 MCUへのティアリングエフェクト(TE)信号
5.5.1.2. JDIディスプレイインターフェース

元資料のJDI名称

元のアプリケーションノートは機能概要でシリアルJDIと記載していますが、以下のピン表にはパラレルJDIという名称を使用しています。このページでは元資料のピン割り当てを維持しています。回路図を確定する前に、使用するJDIモード、パネルの要件、正確なMCU型番の対応状況を確認してください。シリアルとパラレルのインターフェースを同一視しないでください。

表5.5-3: パラレルJDI信号接続
JDI信号 I/O 説明
JDI_VCK PA39 垂直ドライバーのシフトクロック
JDI_VST PA08 垂直ドライバーの開始信号
JDI_XRST PA40 水平/垂直ドライバーのリセット信号
JDI_HCK PA41 水平ドライバーのシフトクロック
JDI_HST PA06 水平ドライバーの開始信号
JDI_ENB PA07 ピクセルメモリーの書き込みイネーブル信号
JDI_R1 PA05 赤色画像データ(奇数画素)
JDI_R2 PA42 赤色画像データ(偶数画素)
JDI_G1 PA04 緑色画像データ(奇数画素)
JDI_G2 PA43 緑色画像データ(偶数画素)
JDI_B1 PA03 青色画像データ(奇数画素)
JDI_B2 PA02 青色画像データ(偶数画素)
5.5.1.3. EPDディスプレイインターフェース

本チップは8ビットのパラレルEPDインターフェースに対応します。

表5.5-4: EPD信号接続

EPD信号 I/O 説明
CLK PA04 ソースドライバー用クロック
CKV/CPV GPIO ゲートドライバー用クロック
SPH PA06 ソースドライバー用開始パルス
SPV/STV GPIO ゲートドライバー用開始パルス
LE GPIO ソースドライバー用ラッチイネーブル
OE GPIO ソースドライバー用出力イネーブル
D0–D7 PA07/PA08/PA37/PA39/PA40/PA41/PA42/PA43 ソースドライバー用データ信号(ビット0~7)
GMODE GPIO ゲートドライバーの出力モード選択
VPOS/VNEG TPS ソースドライバー用正/負電源
VGH/VGL TPS ゲートドライバー用正/負電源
VCOM TPS 共通電極
TPS_WAKEUP/TPS_PWRUP GPIO TPS PMICのウェイクアップ/電源投入制御
TPS_SDA/TPS_SCL I2C TPS PMIC用I2Cインターフェース
TPS_PWRCOM GPIO TPS PMICのVCOM_CTRL、VCOM有効化
TPS_GOOD GPIO TPS PMICの電源正常出力

Note

「PA**」と記載された信号は、表に示す固定I/O割り当てを使用してください。「GPIO」は任意のI/Oに割り当てられます。「TPS」はディスプレイ用PMIC(TPS)からパネルへ出力される信号です。「I2C」はI2C機能を備えたI/Oが必要です。

該当なし

SiFli公式のSF32LB520/3/5/7ハードウェアアプリケーションノートには、EPDパラレルインターフェースのリファレンスデザインがありません。EPDが必要な場合は、52B/D/E/G/Jの資料を参照し、バッテリー駆動版での実現可否をSiFliのFAEに直接確認してください。

5.5.1.4. タッチおよびバックライトインターフェース

SF32LB52xは、タッチ状態割り込み入力を備えたI2Cタッチコントローラーインターフェースと、バックライトの有効化および輝度制御用のPWM信号に対応します。

表5.5-5: タッチおよびバックライトの接続
タッチ/バックライト信号 ピン 説明
Interrupt PA43 タッチ状態割り込み(ウェイクアップ対応)
I2C1_SCL PA42 タッチI2Cクロック
I2C1_SDA PA41 タッチI2Cデータ
BL_PWM PA01 バックライトPWM制御
Reset PA44 タッチコントローラーのリセット

ディスプレイ設計でよくある問題

  • ピン割り当て時に、リセット、TE、バックライトPWM、タッチ割り込みを見落とす。
  • 実際のデバイスとリファレンスデザインを確認せず、バッテリー駆動版がEPDに対応すると判断する。
  • 適切な容量の外部電源ではなく、内蔵LDOからディスプレイに給電する。
  • ディスプレイのクロックやデータを、水晶発振回路、RF、オーディオ、高インピーダンスのアナログ信号の近くに配線する。

ディスプレイ設計チェックリスト

  • インターフェース、色深度、解像度、帯域幅が選定したパネルに適合している。
  • リセット、TE、バックライトPWM、タッチI2C、タッチ割り込みを割り当て、記録している。
  • ディスプレイ電源と投入順序が、スタンバイおよびウェイクアップ動作と両立している。
  • 立ち上げ計画に、リセット、可能な場合はパネルID/読み戻し、バックライト、タッチ割り込み、初回表示の確認を含めている。

5.5.2. オーディオインターフェース

要点

  • アナログマイク入力はシングルエンドで、直流カットコンデンサーが必要です。
  • DAC出力は差動信号です。短くシールドした差動ペアとして配線してください。
  • オーディオ電源のフィルタリングとMIC_BIASの配置は、ノイズ性能に大きく影響します。

設計目標

マイク、DAC、バイアス、オーディオ電源の経路を短くし、フィルタリングとシールドを施してデジタル回路やスイッチングノイズ源から分離し、アナログ信号の品質を保ちます。

オーディオインターフェースは、次の信号を備えます。

  1. アナログマイク用のシングルエンドADC入力が1系統あります。2.2 µF以上の直流カットコンデンサーを直列に接続し、マイクにはチップのMIC_BIAS出力から給電します。
  2. 外付けオーディオPA用の差動DAC出力が1系統あります。適切なグラウンドシールドを施した差動ペアとして配線し、配線容量を10 pF未満、配線長を2 cm未満に抑えます。
表5.5-6: オーディオ信号接続
オーディオ信号 ピン 説明
BIAS MIC_BIAS マイク電源
AU_ADC1P ADCP シングルエンドのアナログマイク入力
AU_DAC1P DACP 差動アナログ出力(正)
AU_DAC1N DACN 差動アナログ出力(負)

図5.5-1: アナログMEMSマイクのシングルエンド入力回路

図5.5-1: アナログMEMSマイクのシングルエンド入力回路

図5.5-2: アナログECMマイクのシングルエンド入力回路

図5.5-2: アナログECMマイクのシングルエンド入力回路

マイクのリファレンス回路は、1 kΩの直列抵抗とグラウンドに接続する1 uF、6.3 VのコンデンサーでMIC_BIASをフィルタリングします。ECM回路には、さらに4.7 kΩのマイクバイアス抵抗があります。両回路の入力端にある0.01 uFのグラウンド接続コンデンサーは並列フィルターであり、信号経路に必要な直列の直流カットコンデンサーではありません。回路を変更する際も、この違いを維持してください。

図5.5-3: アナログオーディオPA回路

図5.5-3: アナログオーディオPA回路

オーディオ設計でよくある問題

  • マイクやDACの配線を、ディスプレイクロック、DC/DC、RF、USB、SDIOの近くに通す。
  • MIC_BIASまたはAVDD33_AUDのフィルターコンデンサーをチップ端子から離して配置する。
  • DACP/DACNを差動ペアではなく、個別のシングルエンド信号として扱う。
  • アナログ出力の寄生容量を大きくしたり、配線を長くしたりする。

オーディオ設計チェックリスト

  • MIC_BIAS、ADCP、DACP、DACN周辺の部品配置をレイアウト例と照合している。
  • DACP/DACNを短くシールドした差動ペアとして配線している。
  • オーディオ用フィルターコンデンサーを各端子の近くに配置し、適切に接地している。
  • 立ち上げ計画に、マイクバイアス、ADCノイズフロア、DAC出力、PA有効化、可聴ノイズの確認を含めている。

マイクとDACの信号経路を完成させる

元資料ではMEMS_MIC_ADC_INとECM_MIC_ADC_INをADCPに接続しています。前述の要件に従って、2.2 uF以上の直流カットコンデンサーを直列に入れてください。マイク回路に示すグラウンド接続の0.01 uFコンデンサーでは代用できません。図5.5-3の破線枠内にある差動ローパスフィルターはMCUの近くに配置し、DAC出力の配線容量を10 pF未満、配線長を2 cm未満に抑えてください。

5.5.3. ボタン

要点

  • PA34は電源ボタン、電源オン/オフ動作、長押しリセットに対応します。
  • ロータリーエンコーダーのボタンはリファレンス回路に従い、ウェイクアップ、チャタリング対策、ESD要件と合わせて確認してください。

設計目標

誤ウェイク、リセットが解除されない状態、プル抵抗回路を介したスタンバイ時の過大なリーク電流を防ぎ、ユーザー入力とリセットを確実に動作させます。

5.5.3.1. 電源ボタン

PA34は長押しリセットに対応しており、電源オン/オフと長押しリセットを1つのボタンに統合できます。長押しリセットはアクティブHighのため、通常時はLowにプルダウンし、ボタンを押すとHighになるように設計してください。

図5.5-4: 電源/長押しリセットボタン回路

図5.5-4: 電源/長押しリセットボタン回路

リファレンス回路では、VSYS_3V3とボタンの間にR0703(5.1 kΩ)を入れ、R0702(100 kΩ)でPA34をプルダウンし、C0720(0.1 uF)をグラウンドに接続しています。ESD保護素子も含まれます。これらは図の設計値です。応用する際は、入力しきい値、チャタリング対策、リーク電流、リセットのタイミングを確認してください。

5.5.3.2. メカニカルロータリーエンコーダーボタン

ロータリーエンコーダーボタン回路は、リファレンスデザインを基本として設計してください。

図5.5-5: メカニカルロータリーエンコーダーボタン回路

図5.5-5: メカニカルロータリーエンコーダーボタン回路

エンコーダーのA、B信号は、それぞれ0 Ω抵抗を介してPA35、PA36に接続されています。各信号にはVDD33_LDO2_VOUTへの200 kΩプルアップ抵抗とESD保護があり、C0703とC0706はNF(未実装)です。信号名には多重化されたUSB/UART機能も記載されているため、このピン割り当てを採用する前に競合を確認してください。

ボタン設計でよくある問題

  • PA34をフローティングにしたり、デフォルトレベルを誤って設定したりする。
  • ボタン回路にウェイクアップ、ESD保護、チャタリング対策、量産テスト用アクセスが必要な場合があることを見落とす。
  • ウェイクアップの信頼性を確認せず、ボタン信号をノイズの多い回路や大きな負荷のある機能と共有する。

ボタン設計チェックリスト

  • 電源/長押しリセットのデフォルトレベルが正しい。
  • 想定する低消費電力状態でウェイクアップ動作を検証している。
  • ESD保護と機械的なチャタリング対策の要件を確認している。
  • 立ち上げ計画に、短押し、長押し、ウェイクアップ、リセット動作の確認を含めている。

5.5.4. 振動モーター

要点

  • PWM出力を使用し、外付けドライバー回路を介して振動モーターを駆動します。
  • スタンバイ電流が重要な場合は、電源をオン/オフできる電源レールからモーターに給電します。

設計目標

モーターの突入電流、スイッチングノイズ、スタンバイ時のリーク電流が、敏感な電源レールやウェイクアップ回路に影響しないようにしながら、安定した触覚フィードバックを実現します。

SF32LB52xは、外付けドライバー回路を介して振動モーターを駆動するPWM出力に対応します。

図5.5-6: 振動モータードライバー回路(SF32LB520/3/5/7のリファレンス。外部レギュレーター給電版でも同等の機能を実現可能)

図5.5-6: 振動モータードライバー回路(SF32LB520/3/5/7のリファレンス。外部レギュレーター給電版でも同等の機能を実現可能)

図5.5-7: 振動モータードライバー回路(52B/D/E/G/Jのリファレンス)

図5.5-7: 振動モータードライバー回路(52B/D/E/G/Jのリファレンス)

両方のモーター回路は、PA20でローサイドMOSFETを制御し、ゲートに1 MΩのプルダウン抵抗を接続しています。図5.5-6では、チップの3.3 V VDD33_VOUT2出力からモーターに給電します。図5.5-7では、VSYS/VBATを入力とする独立した外付け3.3 V LDOで、モーターとPVDDにそれぞれ給電します。制御機能は同等ですが、電源接続をそのまま置き換えることはできません。

モーター設計チェックリスト

  • モータードライバー、フライバック/ESD保護、電源の許容電流を確認している。
  • スタンバイ時および出荷時に、モーター用電源レールがデフォルトでオフになる。
  • PWMピンの割り当てが、ディスプレイ、ストレージ、デバッグ用ピンと競合しない。
  • 立ち上げ計画に、PWMデューティ比の掃引、起動電流、可聴ノイズ、スタンバイ時リーク電流の確認を含めている。

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